技術を売るサービス業の対応

当社は小規模事業者という少し弱い立場の分類に入る。

仕事は、食品製造業関連の中小企業のお客様に対して、設備のエンジニアリングサービス業務を中心として、比較的安価な価格帯で安定品質の設備と質の高い技術情報を提供することをモットーにしている。

このところ、思うような受注が出来ずに腐心しているが、今一度「信頼されるサービス業の本分は何か」という命題について、コロナ禍の中、模索し続けている。

さて、パラダイムシフトという言葉があるが、1992年にソニーの名誉会長に退いた井深大が、次のような言葉を残している。

→ソニーは今まで多くの製品を世に出して、カスタマーに良い評価をもらっているが、最近はハードよりソフトウェアが浸食してきている。ソフトウェアとは「モノと心」の心と思うが、つまり単刀直入に言うと、「人間の心を満足させる」というパラダイムシフトになっていかなければ、21世紀の社会では生きていけなくなる!(井深談)

この様に述べ、科学の視点で捉えてソフトウェアは心の満足に直結すべきであるという意味を残している。

最近はハードより、デジタル化の社会がさらに進展しているが、結局のところ、人間の幸福につながっているかどうかが大切であり、我々の会社も、一時的な利益よりも仕事をした結果がカスタマーにどのように喜ばれるかが一番大事な部分であると考えている。

簡潔に当社のエンジニアリングの項目に関する紹介をする。

工場の生産プラントを構築するためのエンジニアリング技術については、凡そ次の項目がある。

ハード面は、工場全体の企画、生産設備の機械設計(能力・材質・機能・工程ライン)、電気設計(動力盤・制御および操作盤類・制御ソフトなど)、建築設計(建屋・基礎・排水・空調類・UTL)、環境およびエネルギー関連の設計、工事技術・工事日程管理、安全防御システムなどがある。

ソフト面では、各工程の生産技術に適応した装置機器の選定、歩留り・稼働率・品質保持条件を配慮した設計、生産システムの構築、生産タイムスケジュール確立、、保守サービスなどがある。

大手のエンジニアリング会社に比較すると全体的には非力ではあるが、特化した工程設備などでは経験とノウハウ、痒い所に手が届く細やかな機動性があり、優位な面も持ち合わせていると自負している。

しかし、最近では前述したようにデジタル社会が進み、第4次産業革命(インダストリー4.0)から始まり、後述する英語頭文字もよく出るようになった。

ものづくりの経営者は急速に進むデジタル化に追従できなければ、従来のシステムのままでは生産性向上や品質向上が達成できず市場優位性が担保できないことは理解している。しかしながら如何せん投資額と社会的な企業の存在価値、他社との競争力を天秤にかけながら、どのように工場に組み込んでいけるか、思考中なのでは?と筆者は見ている。

当社も当然、世の中の情報を吸収しつつ、必要に応じて対応していかなければならないと考えている。

第一に「デジタル時代のものづくり」、第二に「RPA(Robotic Process Automation)」、第三に「ESG経営(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(企業統治Governance)」である。 

第一においては、大手の企業が対象と思われるが、日本の企業の80%は中小企業であることを考えると、業種によっては対象になる会社も多いのではと思われる。ものづくりのために必要なIoT活用による生産性向上(スマートファクトリーやグローバルな生産計画最適化)、クラウド・AIによる生産技術の継承、品質向上、センサーデータの活用による設備の故障予知などが該当する。

工場の生産プラントが中央にあり、その前は原材料の受入、後は製品の市場出荷というバリューチェーンによるライフサイクルになっている。ものづくりの世界では不良品の出荷が最終消費者に迷惑をかけるため、トレーサビリティ機能による仕組み構築が重要になってくる。

つまり、(言葉は簡単だが)クラウド利用による工場や取引先や市場からデータを収集する仕組みを新たに作り上げることで、上流から下流までバリューチェーンの最適化が図れる。(トータルマネージメント)

第二は、事務系の業務において、繰り返しのクリック、キーボードで行われる作業を人に代わり、自動化する技術である、定常的・定型的業務を集計・解析した形態で自動化できるらしい。仮想知的労働者(デジタルレイバー)と呼ばれる。

第三のESGについては、会社経営者は無視できない。経営にESGを組み込むことが、新たな顧客や取引先の開拓にもつながるため、ESG経営は短期間で企業を成長させる手段にもなり得る。

このように、コロナ禍の中で、日本の仕事のスタイル(中身が大切である)は変化しつつあるが、当社は未来を見据えて、出来得る限り質の高い技術 と 食品メーカーへ喜ばれるサービスを提供できるよう日々研鑽を重ねている。

終わり

サウンドスクエア 株式会社

〒314-0346 茨城県神栖市土合西一丁目1番21号 TEL 0479-21-3883 FAX 0479-21-3882

0コメント

  • 1000 / 1000